INTERVIEWS
認知症認定看護師 Kさん
MY MESSAGE 看護の原点ともいえる「認知症ケア」を、充実させていくために
金町中央病院を選んだきっかけ
看護師になって30年、認知症認定看護師としては2年目になります。金町中央病院の前は、老健で勤務していました。当時、准看護師だったのですが、通信制の看護学校に通って資格を取得してみたら、もっと知識を広げたい、もう一度病院に行ってみたいという思いが大きくなりました。やれるという自信はありませんでしたが、家からも近く、知人が勤務していたこともあり、一歩前進してみようとステップアップの場所としてこちらの病院を選びました。
転職してからの葛藤と、変化
前職の老健では身体拘束を廃止していたので、金町中央病院に転職してきた当時(10年前)の日常的に身体拘束が行われいる状況を目の当たりにし、私の中で違和感が生じていました。
急性期病院という機能ではやむを得ないという事情も理解できましたが、前職で身体拘束廃止に取り組んできた私としては、この病院でも風土を変えていきたいという思いはありながら、自分だけではどうにもならないというジレンマを抱えて勤務していました。
まずは自分自身の知識を深めようと認知症専門士を取得し、生かせる知識を現場で活用する事で実践的な認知症ケアの追求を続けました。
そうするうちに病院から認知症ケアへの取り組みについての評価をいただき、また病院としても認知症ケアを課題ととらえ認定看護師育成の方針が打ち出された事もあり、認定看護師受験のチャンスをいただきました。
資格取得後は医師も含めた多職種によるDSTサポートチームを発足し、身体拘束における基礎知識、現状把握、アセスメントなどに着手した事で、なかなか減らせなかった身体拘束が激減するという大きな変化が生まれました。
身体拘束を減らすためには、スタッフ一人ひとりにその意義を理解してもらう必要があるため、カンファレンスや振り返りに時間をかけ、日々のケア記録の充実を図りました。
認定看護師を取得し、知識に基づいたアドバイスやアセスメント視点を具体的に伝えることができるようになった事で、病院全体の認知症ケアに関する風土が変化してきていると感じています。
これから私が目指すこと
最近は身体拘束が行われていた頃より、患者さんのストレスが減っている事を実感しているスタッフが増えてきました。今後は身体拘束だけではなくさらに認知症ケアを広めていき、スタッフに認知症ケアのスキルを一つでも多く身に着けてもらう事が自分の役割だと思っています。スタッフと一緒に考えながら自分自身も成長し、看護部全体の認知症の対応力があがる事で、患者さんもスタッフもストレスが減る、という事を伝えていきたいです。
認知症ケアは看護の原点であり、うまく気持ちを表現できない患者さんに寄り添うという基本的な事です。いろいろな人生を送られた様々な方が病気で入院されます。
そのような患者さんが、適切なケアのスキルを持ったスタッフの看護を受ける事で、安心して入院生活が送れることを切に願いながら取り組んでいきます。