お薬の話
最近風疹が大流行していることをご存知ですか?
患者数は2018年12月5日現在で2017年1年間の26倍となっています。特に東京都、千葉県、神奈川県で多い傾向にあります。
風疹はワクチン接種で予防が可能です。ではなぜ今大流行しているのでしょうか?
日本において風疹ワクチンは、1977年8月~1995年3月までは中学生の女子のみが定期接種の対象でした。つまり、下図のように1回も接種していない世代があるのです。今回の流行も30〜50代男性が多いと言われています。
風疹は、感染すると約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が起こることがあります。
また、大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。
特に注意が必要なのが妊娠中の女性です
風疹に対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあります。妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%とされています。
妊娠中風疹含有ワクチンの接種は受けられず、受けた後は2か月間妊娠を避ける必要があります。
また妊婦だけでなく周囲の抗体価の低い者に対するワクチン接種を行うことも罹患防止に重要です。
予防接種を1度受けていても十分な免疫が得られない場合があります。
また風疹に罹患したかどうか不明な場合や、接種回数が定かでない場合もあると思います。まずは抗体検査を受けてみてはいかかでしょうか?
葛飾区では妊娠を希望または予定している女性とその配偶者に抗体検査の補助を行っています。詳しくは葛飾区ホームページ(風しん抗体検査及び麻しん・風しん予防接種の費用一部補助を行っています)をご参照ください。
当院でも抗体検査を行っています。 当院スタッフまでお気軽にお声がけください。
参考
2019年1月 薬剤部