薬の保管方法と有効期限

お薬の話

病院で受診後にお薬を渡されることも多いと思いますが、その後お薬はどのように保管していますか?また、飲み忘れなどで残ってしまったお薬はどうしていますか?
今回はお薬の保管方法と使用期限についてまとめてみました。

 
1 保管方法
お薬は一般的に、高温・多湿・直射日光を避けて保管することが基本となります。また幼児のいるご家庭ではお子様の手の届かない場所に保管するようにして下さい。
 そうはいっても様々な薬がありますので、特に注意するお薬の保管方法について、それぞれ剤型別に説明していきましょう。

水 剤
服用の都度、ふたを開けたり閉めしたりすると雑菌が繁殖する可能性が高いので、冷蔵庫で保管するのが良いでしょう。
ただし、お薬によっては小児用ムコソルバン®シロップのように冷蔵庫に入れると結晶が析出するものがありますので、お薬を渡されるときに確認するようにしましょう。
坐 剤
坐剤は人の体温で溶けるようになっているものが多いので、気温の高いときは冷蔵庫に入れておくのが良いでしょう。
特に夏場・車のダッシュボードなどの高温になる場所に保管して、一度溶けて再び固まったものは、変質している恐れがありますので使用しないでください。
逆に、冷蔵庫で冷やしすぎたまま使用すると挿入時に痛みを伴うことがありますので、冷蔵庫から出してすぐに使用する際は気をつけてください。
点 眼 剤
多くの点眼剤は室温での保管が可能ですが、開封前でも冷蔵庫へ保管する必要のある点眼剤もありますので、お薬を渡された時に包装を確認してみましょう。
点眼剤が小袋に入ってくるものがありますが、遮光のためについている場合がありますので、捨てずに小袋の中に入れてきちんと保管しましょう。
貼 付 剤
乾燥を防ぐために、取り出し口がチャック状になっているものはしっかり閉め、そうでないものは開封口を折り曲げて保管しましょう。
湿布の表面が乾いていたり、油浮きしていたりした場合は変質している可能性がありますので、使用するのはやめましょう。
イ ン ス リ ン 注 射 薬
未使用の場合は、冷蔵庫に保管して下さい。ただし凍結すると使用できなくなりますので、冷蔵庫内での入れる場所に気をつけ、箱を横にして保管して下さい。
使用開始後は冷蔵庫へ入れずに室温で保管して下さい。その理由としては、結露やゴム栓のふくらみ等のトラブルを避けるためと、冷えたままで注射をすると痛みを感じてしまう事があるためです。なお、ここでいう室温保存とは1℃から30℃の事ですので、夏場や寒冷地では特に温度管理に気をつけましょう。
主なものだけを取り上げてきましたが、せっかくの自分のお薬がダメになってしまわないように、正しく保管していただけたらと思います。保管方法がわからないときは、お近くの薬剤師にご相談ください。
2 有効期限
 医師から処方されたお薬には、期限は書いてありませんが、処方された日数を有効期限と考えてください。なぜなら、その日数内で飲みきることが前提だからです。
もし、飲み忘れなどで残ってしまったら、基本的には廃棄するようにしましょう。
同じような症状だからといって、家族や知人などに渡したり、のませたりすることは絶対にやめましょう。
医師は診察の際に、症状、体調、体質、体格などその患者さんに合わせてお薬の種類や量を選んでいますので、他の人にも同じように効くとは限りません。見た目の症状が似ていても、原因が全く異なることもしばしばです。
他人のお薬や処方期間を過ぎたものは、思わぬ副作用を招くことがありますので、取扱いには充分注意が必要です。
また、処方された期間内であっても、誤った保管方法などにより明らかに変質(形や色、においが変化)しているものは、服用(使用)しないで下さい。
 
飲み残してたくさん廃棄してしまうことのないように、医師の指示通り、しっかりとお薬をのむことが大切ですね。
 
せっかく体調を改善するために医師の診察を受けたのですから、処方されたお薬がきちんと効くように、ちょっとした事ですが保管や期限にも気をつけていきたいものですね。

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