花粉症のシーズンがやってきます・・・

お薬の話

『花粉症』は、ほとんどの方が耳にしたことがある病名だと思います。
最近の調査では、日本人の約3人に1人が花粉症患者さんであるという報告もあり、毎年この時期に辛い思いをされている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の『お薬の話』では、花粉症をテーマにお話をしていこうと思います。

【花粉症とは・・】
花粉症とは、花粉を原因とし、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状を伴うアレルギー疾患です。体が花粉を異物とみなし、免疫反応が花粉に過剰に反応することでこれらの症状が現れます。

【花粉の種類】
関東地方では、
2月〜4月 スギ
4月〜5月 ヒノキ
6月〜8月 イネ科
8月〜10月 ブタクサ
の花粉が主として飛んでいます。
スギ花粉

【花粉症の予防】
花粉を体の中に入れない工夫が大切です!
マスク
うがい

☆ マスク 花粉の多い時期には吸い込む花粉量を1/3から1/6に減らし、鼻の症状を少なくする効果が期待されています。ただ、マスクをしても完全防備にはならないので過大な信用は禁物です。
☆ うがい うがいは喉に流れた花粉を洗い流すのに効果があります。風邪の予防にもなりますので外から帰ったらうがいをする習慣をつけましょう。
☆ めがね 花粉の多い時期には目に入る花粉量を1/2から1/3に減らすことは出来ますが、目の症状をどの程度抑えられるかは分かっていません。
☆ その他 外出着には花粉がつきにくいポリエステルなどのつるつるした素材を着る、帽子をかぶる、外から帰ったら顔を洗う・・なども効果があります。
また、悪化の要因となるストレス、寝不足、飲みすぎなどにも注意しましょう。

   
【花粉症の治療について】
治療法は大きく分けて2種類あります。
① 対症療法(症状を軽減させる) 飲み薬による全身療法。 点眼、点鼻薬による局所療法など
② 根治療法(根本的に直す) 減感作療法など



☆今回は対症療法に使われるお薬についてご紹介します。
   (★印は当院で扱っているお薬の名前です。)


《飲み薬》 
アレルギーを引き起こす物質の働きを邪魔したり、分泌させないようにする働きがあります。
すぐには効果が出ない(2〜3週間ほどかかります)ので、花粉が飛び始める前から飲み始めるのが望ましいです。
★ ジルテック錠
★ バイナス錠 ★ アレグラ錠
★ リザベンカプセル ★ アレジオン錠 ★ シングレア錠
★ アレロック錠 ★ クラリチン錠 ★ ザジテンシロップ


《点眼薬》
目のかゆみ、炎症などの症状をおさえます。
★ オルガドロン点眼・点耳液 (ステロイド点眼液)
★ インタール点眼液(抗アレルギー薬点眼液)


《点鼻薬》 
鼻水、鼻づまりなどの症状をおさえます。
★ フルナーゼ点鼻液(ステロイド点鼻液)
★ ノスラン点鼻液(抗アレルギー薬点鼻液)

これらのお薬を、症状によって使い分けます。


☆ お薬の副作用について

花粉症のお薬というと「眠くなる」というイメージがあると思います。
お薬には多かれ少なかれ副作用がありますが、最近使われている花粉症のお薬は、 眠気やだるさ、口が渇くなどの副作用が以前と比べるとかなり少なくなっています。
お薬によってそれぞれの特徴がありますので、生活スタイル、職業(車を運転する、 危険な作業をするなど)を含めてご相談ください。

また点眼薬、点鼻薬は局所(それぞれ眼、鼻)に作用するお薬です。
全身への作用はほとんどありませんが、正しく使うことで副作用を防ぐことが出来ます。

花粉症にならない、症状を重くしないためにも日常生活の工夫が大切です。
花粉症の方は、正しい情報を得て、症状によってはお薬の力を借り、
辛いこのシーズンを乗り切りましょう。

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