役立つ福祉の話
病院という名称がついていても、それぞれの病院によって、機能や特徴が異なることはご存知でしょうか。
最近では、病院の機能分化が進んできているため、自分の病気や状態に合った医療機関を選択し、適切な医療を受けることが大切です。
入院治療の必要がなく外来のみで対応できる風邪や腹痛など日常的な病気に対応するのが、主に診療所であり1次救急医療(初期救急医療)と言います。 入院治療を必要とする重症患者に対応するのは2次救急医療になります。本来は入院患者の治療を主におこなう医療機関であり、当院はこれに当たります。
2次救急医療では対応できない複数の診療科に渡って高度な処置が必要な場合は、救命救急センターが対応します。これを3次救急医療と言います。
次に、主な病院の種類と役割についてお話します。
まず、病院と言ってすぐに思い当たるのが一般病床であり、基本的には救急の治療が必要な間だけ入院するという病床のことを言います。
一般病床での治療が終わっても、慢性的に必要な医療行為が残ったり、その病気やケガによって介護が必要になったりする場合があります。
一般病床退院後に入院する病床として選択肢に挙げられるのが、回復期リハビリテーション病床です。ここでは、専門的なリハビリテーションスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)のもと、専門的なリハビリテーションをおこなうことができ、基本的に家庭復帰を目指します。
ただし、入院するには条件があり、入院できる期間も決まっています。例えば、脳血管疾患・脊髄損傷などでは発症もしくは手術後2ヶ月以内に入院する必要があり最大入院期間は150日間です。また、大腿骨・脊椎・股関節・膝関節などでは骨折もしくは手術後2ヶ月以内に入院する必要があり最大入院期間は90日間などです。
救急医療や一般病床での治療を終え、在宅生活へ戻るための準備やリハビリが必要な方などが入院する病床です。継続したリハビリが必要な方、在宅復帰へ向けて環境整備が必要な方、病状は改善したが経過観察が必要な方、福祉施設入所準備中の方等が対象となります。
入院期間は原則最長で60日間と定められています。病状に応じて60日を待たずに在宅か施設へ退院となります。
急性期の治療が終わっても慢性的な医療行為が残り、長期間に渡って療養を必要とする場合に入院できる病床として療養型病床があります(入院期間は病院によって異なります)。 医療保険を使って入院する医療療養型は、医療の必要性が高く、病状が安定している人が対象となります。
例えば、酸素療法が必要であったり、悪性腫瘍で疼痛コントロールが必要であったりと、決められた重症な症状に該当する人が入院でき、医療行為が軽度な人が入院するには困難な場合が多いです。
また、介護保険を使って入院する介護医療院は、要介護度の高い重度の人を対象としている病院が多く、医療よりも介護中心の人が長期間に渡って入院します。
その他、重度の肢体不自由者・脊髄損傷等の重度障害者・重度の意識障害のある人・神経難病患者などを対象とした障害者病床、進行した癌患者が身体的・精神的苦痛を緩和することを目的とした緩和ケア病床、精神病や認知症を対象として治療や療養をおこなう精神病床などがあります。
このように、単に病院と言っても、いろいろな種類や役割があります。当院には一般病床と地域包括ケア病床がございます。
地域連携室では、患者様やご家族様が、不安や悩みなどなく安心して療養生活をお過ごしいただけるよう、ソーシャルワーカーが、生活上の様々な医療相談をお受けしております。
些細なことでも構いません、心配事やわからないことがありましたら地域連携室のソーシャルワーカーにご相談ください。