最近ではTVコマーシャルなどでも「後発医薬品」や「ジェネリック薬」という言葉を耳にすることが増えてきましたね。
ご自分のお薬でも「後発医薬品」をもらっているかたが増えているのではないでしょうか。中には、よくわからないうちに変えられてしまった・・・なんていうかたもいらっしゃるでしょうね。
では、いったい「後発医薬品」とはどんなお薬なのでしょう。また、なぜこのように宣伝活動がさかんになっているのでしょう。
今回は、この「後発医薬品」の謎に迫ってみたいと思います。
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◆ 後発医薬品とは・・・ |
新薬(先発医薬品)と同じ有効成分で効能・効果の等しい医療用の医薬品のことで、先発医薬品の特許が切れた後に製造販売されるため、「先発」に対して「後発」医薬品、とよばれています。日本よりも後発医薬品の普及率が高い欧米では、医師が商品名ではなく「一般名」で処方することから、「一般的な」という意味をもつ「generic(ジェネリック)」という言葉が使われており、日本でも「ジェネリック薬」と呼ばれることもあります。つまり、「後発医薬品」と「ジェネリック薬」は同じものをさしていますが、ここでは「後発薬」と呼ぶことにします。 |
◆ 先発医薬品との違いは・・・ |
後発薬は、先発医薬品と効き目や品質、安全性は同等の医薬品ですが、研究開発にかかる莫大なコストを抑えられるので、先発医薬品と比べると大幅に安いのが特徴です。製品によっては工夫や改良がされて、薬の大きさや色、味、においなどが先発医薬品と異なる場合があります。
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◆ 安いと効かない気がするけど・・・ |
患者さまから「安いと効き目が弱い気がする・・・」といった訴えを聞くことがありますが、後発薬は厚生労働大臣により、先発医薬品と同等の品質であることの承認を受けなければ製造販売することはできませんし、その有効成分は先発医薬品が特許期間を満了するまでの間に多くの患者さまに使用され、有効性や安全性は充分に確認されていますので、安価でも安心して使うことができるといえるでしょう。
ただし、製品によっては、色や味、形状の違いを出すために使用する添加剤などが先発医薬品と異なるものもあるため、ごくまれに体調不良などが現れるかたもいますので、気になることがありましたら、医師・薬剤師等にご相談ください。 |
◆ 最近、宣伝が多いのは・・・ |
先ほど述べたように後発薬は安いため、後発薬の普及は、患者負担の軽減や医療保険財政の改善を期待できるところです。しかしながら、欧米諸国と比べると日本ではなかなか普及が進んでいません。そこで、厚生労働省は数値目標を掲げて、後発薬の使用促進のための施策に積極的に取り組んでいるのです。
これを受けて、患者さま向けの啓蒙や医療関係者向けの体制整備などが活発化し、後発薬の医療メーカーも積極的にPR活動をしています。最近TVコマーシャルが多いように感じるのはこのためだと思います。 |
当院でも、安全性や有効性を一つずつ確認しながら、後発薬の採用を少しずつではありますが増やしていますので、ご希望や疑問点などありましたら遠慮なくご相談ください。 |
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