口の中に使うお薬、口腔用薬

お薬の話

口の中に使うお薬、というと何を思い浮かべるでしょうか?
口内炎ができると痛みで食べづらくなって病院で薬を処方してもらったり、風邪気味のときに使用するうがい薬が
あったりするのではないかと思います。
今回は、口の中に使うお薬=口腔用薬についてお話しします。

口腔用薬は“のむ”のではなく、口の中で“使う”ため「外用薬」の扱いとなり、薬の袋は『外用』の表記となっていることが一般的です。


1 種類     
                                                        ※印:当院採用薬
含嗽薬(うがい薬)

種 類

作 用

商 品 名

 殺菌消毒薬 

 口腔内を殺菌し感染予防、消毒する

 ※ イソジン®ガーグル       等

 抗炎症薬

 口腔内の炎症を抑える 

 ※ アズノール®錠
   アズノール®うがい液
   含嗽用ハチアズレ®顆粒   等

                         備考 アズノール錠は、胃を保護するための飲み薬としても使われます。

トローチ剤

種 類

作 用

商 品 名

 抗生物質含有トローチ剤

 口腔内を殺菌し感染予防、
 消毒し、特定の菌を減らす

 アクロマイシン®トローチ
                  等   

 殺菌消毒薬含有トローチ剤

 口腔内を殺菌し感染予防、
 消毒する

 ※ SPトローチ®
                  等

           
口内炎治療剤

種 類

作 用

商 品 名

 副腎皮質ホルモン

 患部の炎症を抑える

 アフタッチ®錠
 ※ ケナログ®口腔用軟膏
 アフタゾロン®口腔用軟膏



以上のように様々な口腔用剤がありますが、次は当院での採用薬を中心に一般的な使い方のポイントを説明しましょう。

 

2 使い方

イソジン®ガーグル 
     2〜4mLの薬液を水約60mLに希釈します。
         ポイント:一度、薬液の量と水の量を正確に計ってみましょう。
               意外といつもと濃さが違うかもしれません。
               濃すぎても薄すぎても効果が得られません。

アズノール®
     水100mLに、指示された錠数を溶かします。
         ポイント:ぬるま湯を用いると溶けやすいでしょう。

SPトローチ® 
     口の中で徐々に溶かします。
         ポイント:普通のアメと違いゆっくり溶かしてみてください。
               噛み砕かないことがポイントです。

ケナログ®口腔用軟膏
     口の中の患部に塗布します。
         ポイント:患部に塗布した後、すぐに飲食するととれてしまうので、
              しばらく飲食は避けましょう。

うがい薬は市販されているものが増え、医師からの処方せんがなくても入手できるようになったこともあり、今春から各病院では、うがい薬のみの処方はできなくなりました。とは言え、思い込みや自己判断で誤った口腔用剤を使い続けて、症状自体を悪化させてしまうことがありますので、使用には充分注意が必要です。


以上、口腔用剤について簡単にまとめてみました。
何気なく使用しているお薬だと思いますが、使い方を時々見直してみるといいかもしれませんね。


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