予防接種について~最近の話題~

お薬の話

前回、前々回と新型コロナワクチンを中心にお話しをしてきましたが今回は新型コロナワクチン以外の予防接種についてまとめていきたいと思います。

予防接種には、法律に基づいて市区町村が主体となって実施する「定期接種」と希望者が各自で受ける「任意接種」があります。
年度が改まると皆さまのお手元には対象年齢により、ワクチンの接種券や予診票などが届いていないでしょうか?これが定期接種にあたるものです(新型コロナワクチンを除く)。感染症の現状を鑑みて変更されることが多い予防接種ですが、近年に変更や適応拡大されたワクチンについていくつかご紹介します。

① HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)

定期接種

対象者 小6~高1相当の女子(2価サーバリックス®、4価ガーダシル®)

平成25年6月以降副反応などで「積極的接種勧奨の差し控え」となっていたため接種ができなかった女性が多数いる状況です。接種機会を逃した方に対しても公平な接種機会を確保するため、令和4年4月から3年間キャッチアップ接種を実施しています。キャッチアップ接種とはHPVワクチンの定期接種を逃した方のために無料でできる接種のことで、対象者は1997年4月2日から2006年4月1日生まれの女性です。「子宮頸がんはワクチンで予防できる唯一のがん」と言われていますので、接種の機会を逃してしまった方は早めの接種をお薦めします。子宮頸がんワクチンについては2012年2月の「お薬の話」で取り上げておりますのでそちらもご参照ください。

任意接種

対象者 10歳以上の女子(2価サーバリックス®)
9歳以上の男女(4価ガーダシル®)

2020年12月から一部のHPVワクチンが男性でも受けられるようになりました。これはHPV感染が男女間で感染を繰り返すため、男性もワクチン接種をすることで広がりを抑えることができます。また本来の目的である男性本人の病気(肛門がんや尖圭コンジローマ)を予防することができます。

② 帯状疱疹ワクチン

対象者 50歳以上の成人

帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。

  • 生ワクチン「乾燥弱毒性水痘ワクチン」:2016年に帯状疱疹に適用拡大
  • 不活化ワクチン「シングリックス®」:2020年に帯状疱疹専用の予防ワクチンとして認可

葛飾区では帯状疱疹ワクチンへの助成はありませんが、自治体によっては助成をしているところもありますので接種を希望される方はご確認ください。

各ワクチンのQ&Aが厚生労働省や製薬メーカーから出ています。

風しんの追加的対策について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

HPVワクチンに関するQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

帯状疱疹予防.jp|帯状疱疹の原因から症状・予防について (taijouhoushin-yobou.jp)

定期接種や助成などの情報を収集して、ご自身の身を守る「予防接種」をうまく活用してみてはいかがでしょうか。

2022年7月 薬剤科

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