レントゲン検査とCT検査

放射線のお話

レントゲン検査やCT検査を受けたことがある方も多いかと思います。さて、これらの検査の違いはなんでしょうか。

レントゲン検査のしくみは、通過したエックス線の量の差がコントラストを作り画像が出来上がるものです。
この画像は体の厚みに関わらず全て平面に投影されるので、2次元的です。  以下のような写真で病変部が写っても、胸側なのか背中側なのかは判断できません。
一方、CT検査は専用のベッドに寝た状態でドーナツ型の装置に入って行き、
観察したい範囲を全周(360度)からエックス線を照射して断面図を作成するものです。

CTの断面図は数㎜ (当院では最小0.5㎜) 単位で作成でき、観察部位を細かく切り分けて 評価できるため、レントゲン検査より病変部の場所や性状の特定には適しているといえます。
 
また3次元的にデータを収集いたしますので、ただの輪切りの断面図(アキシャル)の他、 前から見た断面図(コロナル)、横から見た断面図(サジタル)、臓器や病変に合わせた角度の 断面図(オブリーク)というふうに、1回の撮影で得た収集データを編集することで、任意の断面図を作成することができるとても診療上とても便利なものです。
さらには、そのデータを用いて立体画像を作成することができます。
ただし、通常はレントゲン検査よりもCT検査のほうがエックス線使用量は多くなりますので、症状に合わせて担当医が選択をすることになるのです。

このように、同じエックス線でも、検査方法によってさまざまな使い方がされるのです。

関連記事

「放射線のお話」の記事一覧