なるほどリハビリこらむ
年を重ねるごとに誰でも筋肉の減少や筋力低下を自覚しますよね。この筋肉減少が「サルコペニア」とよばれることは、前回のコラムで紹介致しました。
今回はサルコペニアの改善や予防のための必須アミノ酸「BCAA」についてお話します。
筋肉はたんぱく質からできています。そしてたんぱく質を構成している必須アミノ酸のうち、40%を占めているのが、ロイシン、イソロイシン、バリンであり「BCAA」と呼びます。
BCAAは運動時にエネルギー源として利用され、筋肉疲労や筋肉痛の軽減に貢献しています。特に「ロイシン」は筋肉の合成に非常に重要な役割を果たし、またインスリン分泌促進、タンパク質代謝(分解抑制と合成促進)調整機能も持つようです。他にも、食欲低下の改善にも有効であるとの研究報告もあるようです。
ある研究ではロイシン高配合必須アミノ酸混合物を高齢者に4か月間1日に2回摂取する実験をしたところ、除脂肪体重と筋力が増加し、歩行機能などの身体機能にも改善が認められたと報告があります。
別の研究では、高齢女性(75歳以上)を対象に、高配合必須アミノ酸のサプリメントを1日2回摂取し、かつ週2回の運動を実施した場合、筋力、歩行速度、筋力が改善したと報告があります。
<食事とBCAA(必須アミノ酸)>
・必須アミノ酸は体内で作ることはできないため外部から摂取します。
<摂取のタイミング>
運動開始30分前にBCAAを摂取することで、摂取したものから代謝され、疲労感の回復も早いことが言われています。
<効果>
・BCAAは高齢者の骨格筋タンパク質の合成を促進します。
・マラソンや水泳などの有酸素運動では、スタミナが維持できる可能性があります。
・運動に慣れていない場合は、筋肉痛や苦痛を感じてしまい継続することが困難になりますが、アミノ酸を摂取することで運動が習慣化される可能性があります。
・インスリンの分泌を促進します。
サルコペニア対策には継続的な運動とアミノ酸摂取です。