お薬の話
皆さんはインスリンというお薬をご存知ですか? 食事などで体に吸収されたブドウ糖は、健康な方であればすい臓から出るインスリンホルモンによって血液中の量が一定に保たれ、エネルギーとして働きます。 糖尿病の患者さまの場合は、インスリンホルモンがうまく働かず体のエネルギーをコントロールできない状態となってしまいます。 この不足を補うのがインスリンというお薬です。 糖尿病は生活習慣病の一つとされ、食事や運動によってその予防が出来ると言われています。 健康な方は糖尿病にならないように普段の生活を見直すことが大切ですが、遺伝的にインスリンホルモンが無い患者さまや、血液中のブドウ糖が高くなりすぎてもインスリンホルモンが少ししか出ていない患者さまはこのインスリンホルモンをお薬として体に取り入れることが必要となります。 インスリンはお薬の開発技術の進歩に伴い、安全で使いやすい製剤が作られつつありますが、口から飲んだ場合には胃酸で分解され、消化管から体に取り込まれないため、患者さまご自身がお腹や足の腿などに注射をする必要があり、まだまだ苦労される方が多くいらっしゃいます。 しかし、インスリンが肺から吸収される性質を利用して、口から吸入できるインスリン製剤が最近米国で発売され話題となっています。 また開発中の製剤では、スプレータイプや貼り付けるタイプのお薬もあるようです。 これらのお薬は、まだ日本では使用できませんが、患者さまの意見が取り入れられ、お薬が開発されることは、大変望ましいことと思います。 |