お薬の話
お薬は飲んだり使ったりすることで、人の身体の悪い部分を治療し、気分を楽にすることが本来の目的です。 また、お薬によっては人が自覚しない部分にも効果をもたらすことがあります。 例えば、お腹を壊しているときに整腸剤を飲むことで正常な排泄をもたらします。 この例ではお薬による効果がよくわかります。 また動脈硬化など血液の病気を予防するために血液をさらさらにするお薬を飲んでいる方がいらっしゃいますが、このお薬の効果はなかなか自覚できません。 人の身体は単純につくられていませんので、ある効果を期待して飲んだお薬が思わぬ害を及ぼすことがあります。 これをお薬の副作用といいます。 「風邪をひいて解熱剤を服用したら、熱は下がったけど胃がむかむかする」「歯医者さんでもらった抗生物質を飲んだら、化膿しなかったけど蕁麻疹が出た」など効果はあったけど副作用もあったという例です。 お薬は化学物質です。一緒に飲むことでお薬同士が悪い作用を起こすことがあります。 また反対に効果を消しあってしまう場合があります。これをお薬の相互作用といいます。 沢山のお薬を飲んでいる方は何が原因になっているのかわからないこともあるでしょう。 さらに、治療をするために、既知の副作用に対する対策をしながら効果が強力なお薬を服用しなければならない場合もあります。 抗がん剤がこの例にあたります。 がん細胞を縮小するための効果は、他の正常な細胞を縮小してしまう副作用と表裏一体です。 そのために他のお薬を一緒に飲んで副作用を和らげます。 お薬は世の中に出てくる前に多くの試験をしています。 その過程で見つかった副作用は、お薬を飲む患者さまへも情報を提供しています。 さらに、厚生労働省などでは患者さまから副作用を経験したという情報を収集しています。 お薬が世の中に出た後に発見される副作用もあり、その情報を収集し注意を喚起することで、副作用による害を最小限にすることと、害にあった患者さまに金銭的な救済をするためでもあります。 お薬を飲んで嫌な思いをしたときには、お薬を飲んだ状況や、飲んだ後の症状などを詳しくお話ください。 我々医療機関の義務のひとつに、お薬を飲んでどのような副作用が考えられるか説明することがあります。 そのような相談はいつでもお受けしています。 |