あなたの動脈硬化度

検査のお話

●あなたの動脈硬化度

9月より新しく【ABI/CAVI 血圧脈波検査】が加わりました。
簡単に動脈硬化度をチェックできる検査です。今回はこの「ABI/CAVI」
についてお話ししたいと思います。

まず動脈硬化症とは、前回の「PART34」でもお話ししたように、血管(動脈)にコレステロールや中性脂肪などがたまって、血管が詰まったり、硬くなったりして血管の弾力性や柔軟性を失った状態のことを言います。主に、高血圧・脂質異常・糖尿病・喫煙など生活習慣に関するものが原因で起こります。そして、動脈硬化が進行してしまうと日本人の主要な死因ともなっている心筋梗塞や狭心症、脳出血、脳梗塞など命に関わる疾患につながってきます。


検査方法
仰向けに寝た状態で両腕・両足首に血圧計を巻き、心音・心電図を見ながら測定していきます。ABI・CAVIを一度に同時に行い、およそ5分程度でできます。血圧測定と同じような感覚で行える検査です。

心電図イメージ


CAVIとは。。。。?
CAVIとは動脈の硬さを調べるための検査です。
心臓から押し出された血液によって生じた拍動(脈波)が血管を通じて手や足に届くまでの速度を測ります。柔らかい血管では、血流の圧力が吸収されるため速度は遅くなりますが、硬い血管では圧力が吸収されにくく、速度は速くなります。
健康な人でも、血管は年齢によって硬くなっていきますが、硬くなってくると血管の収縮や拡張が出来なくなってきてしまいます。そのため、血液をうまく送り出せず脳や心臓に負担をかけることになります。

 

CAVIの評価基準

CAVI ≧ 9.0

動脈硬化の疑いあり

9.0 > CAVI ≧ 8.0

境界域です

CAVI < 8.0

正常範囲です


また、CAVIの値と年齢の関係を表したグラフから、おおよその「血管年齢」を知ることができます。

血管年齢参考イメージ


ABIとは。。。。?
ABIとは、どの程度動脈が狭窄や閉塞が起きているかを調べる検査です。
検査方法は、足首と上腕の血圧を測定し、その比率で動脈の狭窄・閉塞の進行度を知ることができます。
通常、寝た状態で足首の血圧を測定すると、健康な人では腕の血圧と同じくらい、もしくは少し高い値となります。しかし、狭窄や閉塞があるとその病変部より血流が減少するため足の血圧が低下します。つまり、狭窄や閉塞がある場合にはABIの値は低くなります。

0.9 <  ABI  < 1.3

正 常

ABI ≦ 0.9

動脈閉塞の疑いがある

ABI ≦ 0.8

動脈閉塞の可能性が高い

0.5 < ABI ≦ 0.8

動脈閉塞が一カ所はある

ABI ≧ 1.3

動脈閉塞が石灰化している





動脈硬化の発症部位と自覚症状
動脈硬化による狭窄や閉塞は全身の血管でみられますが、その症状はさまざまです。

発症部位

疾患名

自覚症状

脳梗塞・脳出血

手足のしびれ・麻痺・めまい・呂律がまわらなくなる

心臓

狭心症・心筋梗塞

胸の圧迫感・痛み

腎臓

腎硬化症

血圧の上昇

下肢

閉塞性動脈硬化症

足の冷感・しびれ・歩行時の痛み

大動脈

大動脈瘤・大動脈解離

胸や腹部の痛み

 

これらの症状が出たときには、すでに病気は進行しており命に関わってきます。このような病気にならないよう、一度ABI/CAVI 血圧脈波検査を受けてあなたの「動脈硬化度」「血管年齢」を調べてみましょう。
検査について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

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