血液型の検査は輸血や献血をする際に非常に重要となってきます。
輸血は大量出血などの緊急時に非常に効果的とされていますが、その一方で副作用があるのも事実です。
副作用の中で最も重篤な症状を引き起こす原因がABO血液型の異型輸血(違う血液型の血液を輸血すること)になります。
輸血の際にそれらの副作用が起こらないように前以て最低限の検査を行います。
以下、当院で行っている輸血に関する検査項目になります。
①ABO、Rh血液型検査
②不規則性抗体スクリーニングおよび同定検査
③交差適合試験(クロスマッチ)
今回はこの中からABO、Rh血液型の検査を少しお見せします。
上の試薬を使用して2つの検査を同時に行います。
人為的に抗原抗体反応を起こして反応が見られるものを陽性とします。
①オモテ試験
あらかじめ含まれている抗体が解っている試薬(抗血清)を使って赤血球の抗原を調べます。
可視的に解りやすいように抗A試薬は青色、抗B試薬は黄色、抗D試薬は無色と決まっています。
抗A試薬で固まればA抗原あり、抗B試薬で固まればB抗原あり、抗D試薬で固まればD抗原ありと判定します。
②ウラ試験
あらかじめ抗原が解っている血球試薬を使って血清(血漿)中の抗体を調べます。
A血球が固まれば抗A抗体あり、B血球が固まれば抗B抗体ありと判定します。
(当院では陰性の比較対照としてO血球も使用しています。)
↑A型Rh(+) ↑B型Rh(+) ↑O型Rh(+)
↑AB型Rh(+) ↑A型 Rh(−)
血液型の判定時の写真です。
稀な血液型はお見せ出来ませんが、以上が一般的な反応になります。
是非、自分の血液型がどのように反応するかチェックしてみてください。
最後に、生まれたばかりの赤ちゃんの血液では反応が弱く誤判定が多い為、現在は出生時に血液型を調べる施設が減ってきています。
献血時には必ず検査をしますし、検査室のある病院では血液型の検査を行っていることも多いため自分の血液型をご存知ない方や興味のある方は一度調べてみてはいかがでしょうか。 |