画像検査科

当院に設置してあるエックス線機器は、一般撮影装置、64列マルチスライスCT、デジタルエックス線TV、乳房撮影用装置、移動型エックス線撮影装置、骨塩定量計測装置です。症状や疾患などにあわせて装置や検査方法を使い分け、病気の発見、治療の計画、経過の観察などに役立てます。
健康診断、人間ドックでもエックス線機器を使用します。
病気の早期発見をしたり、健康状態を把握して病気の予防につなげたりすることができます。

エックス線検査は、被ばくの影響よりも、それによって得られる利益(画像情報)のほうが十分に大きいと考えられる場合にのみ施行されます。
また、その都度エックス線の強さや量を調節して、被ばくを必要最小限にする努力をしています。撮影時にはその内容を説明しますので、安心して検査を受けてください。
妊娠、またはその可能性のある方は申し出てください。
エックス線検査の中止、または別の検査の検討をします。わからないことや不安なことがありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

放射線のお話

「放射線のお話」では、お薬にまつわるさまざまなお話を紹介していきます。患者さまにはもちろん、ご家族の方にも読んでいただける「豆知識」です。

使用装置のご紹介

一般撮影装置

一般撮影はいわゆるレントゲン撮影と呼ばれるもので、エックス線検査のなかで最も多く使用されています。胸部撮影をはじめ、腹部撮影、全身の骨の撮影ができます。
エックス線を通しやすい部分と通しにくい部分の差が、エックス線フィルムの濃度の差となり、画像がつくられます。胸部、腹部撮影などでは着替えをしていただくことがあります。

無地で薄手のTシャツは着たままでも撮影できます。撮影に適した服をお持ちでない方には検査着をお貸しいたします。
金属、プラスチック、カイロ、磁石、湿布など、画像に写りこんで診断の妨げになる可能性のあるものははずしていただきます。
あらかじめ可能な範囲ではずしていただくと検査時間が短くすみます。撮影の部位によっては、画像のブレを防ぐために呼吸を止めていただくことがありますのでご協力ください。

64列マルチスライスCT

CT(Computed Tomography)は一般撮影とは違い、体の断面画像を作り出す装置です。頭部、胸部、腹部をはじめ、ほぼ全身を撮影することができます。
撮影の部位によっては、画像のブレを防ぐために呼吸を止めていただきます。1回の息止めで1断面しか得られなかった従来のCTとは異なり、マルチスライスCTは1回の息止めでたくさんの画像を得ることができます。
CTはドーナッツのような形をしていて、エックス線発生装置と検出器とが互いに向き合いながら回転しています。
その中を体が通過することでらせん状に体内情報を取得していき、コンピュータ解析をすることであらゆる角度での断面や、立体的な画像(3D画像)を得ることができます。
空腹時に行うCT検査もございますので、医師から指示されましたら食事を摂らずに検査を受けてください。

観察したい部分のコントラストを高めるために、造影剤を使用することがあります。血管内に造影剤を注入し、観察したい部分を流れているタイミングで撮影します。
CT検査で使用する造影剤は体内を観察するのに効果的な薬ですが、まれに副作用を生じることがあります。安全のために事前に問診を行いますのでご協力ください。
また、造影剤の必要性、危険性について説明をした上で、同意書の記入をお願いしています。

当院では葛飾区の中でも先駆けて低線量撮影が可能な装置を導入しています。従来のCT装置よりはるかに少ないエックス線で、低ノイズで高品質な画像を作り出す技術が使われており、患者さまに安心してCT検査を受けていただけるものとなっています。

デジタルエックス線TV

エックス線TVは、連続的にエックス線を出し続け、体内の透視画像をリアルタイムでモニターに表示させることができる装置です。動画像として体内を観察するのに適しています。
必要に応じて静止画像を撮ることもできます。エックス線を通しやすい部分と通しにくい部分の差が、モニターの濃度の差となり、画像がつくられます。
この装置での検査の多くは、造影剤を使用します。胃の検査で有名なバリウムという造影剤をはじめ、検査目的に適した造影剤を選択します。
また、骨折、脱臼の整復や、体内に入った異物の除去にもこの装置が使用されることがあります。

乳房専用エックス線撮影装置

近年注目されているマンモグラフィと呼ばれる検査のための撮影装置です。
乳腺内にできる微小石灰化や、触診での発見が難しい小さな腫瘤を描出することができます。また、それが良性なものか否かの診断に大変有効です。
原理としては一般撮影と同じで、エックス線を通しやすい部分と通しにくい部分の差が、エックス線フィルムの濃度の差となり、画像がつくられます。乳房には骨がなく軟部組織で構成されていて、エックス線の通しやすさの差が少ない部位です。
その少ない差を描出するのに適した特性を持つエックス線を照射できるようになっているのがこの装置です。乳房をそのまま撮影すると、乳腺どうしの重なりに病気がかくれてしまい、なかなか発見できません。
そのため均等な厚さになるよう薄く引き延ばし、乳腺の重なりをなくした状態で専用の板で乳房をはさみ、圧迫して撮影します。乳房が薄くなるほど、エックス線の量は少なくすむという効果もあります。より良い検査のためにご理解ください。
圧迫時の痛みには個人差がありますが、耐えられないようでしたら申し出てください。
無理な圧迫はせず、我慢できる範囲で撮影をします。見落としがないよう左右ともに2方向ずつ、合計4回の撮影を行います。力が入ってしまうと乳房がひっぱられてはさみにくくなり、見落としの原因になります。
検査時はできるだけ力を抜いてリラックスすることを心がけてください。リラックスすることで痛みが和らぎます。授乳中の方は正確な画像診断ができないことがあります。担当医にご相談ください。

移動型エックス線撮影装置

一般撮影装置のユニットを簡素化、小型化し、移動できるようにしたものです。入院患者などで、一般撮影室まで来ることのできない方の撮影に使用します。
この装置を病室まで移動させ、ベッド上でエックス線撮影をすることができます。手術中や救急処置中などもこの装置を使用して撮影することがあります。

骨塩定量計測装置

骨塩定量計測装置骨の密度をはかる装置です。骨の硬さ、もろさがわかります。定期的(4ヵ月月に1度くらい)にはかることで骨密度の変化を記録し、骨粗しょう症の予防や治療に役立てます。

PACS(Picture Archivingand Communication Systems)

従来、レントゲンやCTなどの医用画像は、エックス線フィルムを用いて見ていましたが、PACSの導入後はエックス線フィルムが必要なくなりました。PACSとは、エックス線検査や、それ以外の医用画像を保管、閲覧する目的で一元管理するシステムです。
レントゲン室をはじめ、診察室やナースステーションなど、各所に設置したモニターで瞬時に目的の医用画像を見ることができます。
当院はこのシステムを導入しているため、エックス線フィルムを探し出す作業や必要な場所へ運搬する作業がなくなりました。
患者さまの待ち時間の短縮に貢献しています。また、エックス線フィルムでは不可能だった画像の拡大や濃度調節、目的部位の計測などが可能となりました。過去画像との比較もスムーズに行えるため、診断の精度を高めることに成功しています。

当院でPACSに取り込んでいる検査の種類は以下の通りです。

  • 一般撮影(レントゲン)
  • マルチスライスCT
  • デジタルエックス線TV
  • マンモグラフィ※
  • 移動型エックス線撮影装置
  • 超音波
  • 内視鏡

※マンモグラフィは特殊な強さの光を通して見る必要があるため、マンモグラフィ専用フィルムにも画像を記録しています。

よくある質問 Q&A

放射線を浴びるのは危険ではないですか?
造影剤とはなんですか?
超音波検査とはなんですか?

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